『演劇とその形而上学』(アントナンアルトー、訳:安堂信也)
p163
「<舞台――客席>われわれは舞台と客席を廃止して、如何なる種類の境も区切りもない単一の場所をこれにかえる。それが、劇行動の舞台となる。観客と上演との間に観客と俳優との間に、直接的な交流がふたたびつくりあげられる。(・・)そのために、現存の劇場を捨てて、われわれは、どこかの倉庫か納屋を使い、ある種の境界とか聖地とか、高チベットの寺院の建築に到達した方式に従って、それを改造させる。
(・・)この広間は、四方の壁によって閉ざされ、装飾は全くない。」