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『イメージの申楽』3

『イメージの申楽』
2010年4月22日(木)19:50-20:20
於:Dress Akiba Hall

出演者:伊藤にる、倉垣吉宏、双山あずさ、よこたたかお
時間:30分

【ルール】俳優は与えられた題目に対して、即興的に演技を行う。始めに「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」を決定する。

次に、即興演技中に「演技の形式」と「動作」が指示され、俳優は即興的に対応していく。物語に忠実になる必要はなく「ぽさ」によって、イメージを連続させていく。

【イメージの申楽?】一般に流布する表象から、リテラシーを必要とする表象へ。表象抜きには語れなくなった二十世紀から、文字によっては記録することが不可能だった表象へと遡る、表象の猿真似。表象の申楽。

【ポリシー】作品解説『イメージの申楽』は、「演じること」について考えるための小品である。舞台芸術の形式は、文字によっては記録されない。特に日本において伝統芸能は一家秘伝とされ、口伝によって伝承されてきた経緯がある。

しかし、19世紀以降、文字による情報の記録が進み、アーカイブは「図書館」という施設に保存され、歴史やイデオロギーは文字によって継承される。舞台芸術の分野においてもそれは例外ではなく、テクスト至上主義の環境を作り出すことになる。

しかし演劇の形式については文字によっては保存するべくもなく、能のように国家に庇護されたり、歌舞伎のように大衆層に受け入れられなかった演劇の形式は、消滅してしまった。『イメージの申楽』は、「申楽」という日本の演劇の起源を探る俳優のための小品である。

「猿真似」「物真似」「演じること」を通じて、演劇の形式を考える場を作り出す。社会の中に流布する演劇の形式、文字によって保存された演劇の形式をきっかけに、社会からもアーカイブからも消滅してしまったであろう演劇の形式を探る。